FXと株式の取引はよく比較され、両方を行っているという人も多いですが、このキャピタルゲインとインカムゲインという考え方はFX独自のものです。
そもそもFXとは、外貨を購入し、そのレート変動によって利益を出す仕組みです。
1ドルが100円の時に1000ドル購入すると10万円が必要になりますが(ここでは分かりやすいように、手数料の類いは考えません)、そのレートが105円まで上った時に売却すれば10万5千円になり、その差額が利益となります。
このように、売買によって出す利益のことをキャピタルゲインと呼んでいます。
そして、FXで購入した外貨には、1日単位で金利が発生します。
この金利は払うのではなく、得られるもので、日本円のそれとの差が利益になります。
購入前に年率でそれが分かり、所持している間に変動することもありますが、その差が5%であれば、日本円にして10万円分を所持していると、その5%に当たる5千円を365日(1年)で割った約13.7円分を毎日得られる訳です。(うるう年の場合はきちんと366日で割ります)
この金利によって出る利益をインカムゲインと呼び、FXではほとんど値動きはないものの、金利が高い外貨を所持していると、売買を行わずともこれだけで毎日僅かながら利益を出していくことができるのです。
FXで扱われる外貨は株式と比べて、滅多なことがない限り、それほどのレート変動はないものです。
その為、レバレッジと呼ばれる倍率を掛けて取引を行うのが当たり前となっており、これが10倍であれば、1万円で10万円分の外貨を購入することができます。
もちろん利益も10倍になりますが、損失も10倍になるので諸刃の剣とも言えますが、このレバレッジでインカムゲインにおいても有効です。
つまり、10万円に20倍のレバレッジを掛けて200万円分の外貨を購入し、その金利が日本円との差額で5%だった場合には、200万円の5%になる10万円を365で割った274円を毎日金利として得られます。
このまま特にレートが無ければ、1年間ですっかり元がとれてしまい、元金の10万円はそのままです。(実際にはレートの暴落の危険性などもあり、必ずしもそうとはなりません)
ここが株式の取引との大きな違いになります。
株式でも年に一度や二度配当というものがありますが、発行元の業績次第では全くそれが無いことも珍しくなく、安定した収入源とは言えません。FXであれば、多少の変動はあっても、そこまで大きく金利が変わることは無い為、売買によるキャピタルゲインだけでなく、このインカムゲイン狙いという投資も多く行われています。